イギリス王室には、儀式として日本では聞き慣れない「洗礼式」という言葉があります。
では、洗礼とはいったいどういう意味なのか?
ここでは、洗礼と洗礼式についてのお話をしたいと思います。
「洗礼」や「洗礼式」を行うのは、キリスト教の習わし
洗礼や洗礼式を行う習わしは、ほとんどキリスト教の特徴でもあります。
洗礼とは?
洗礼とは何かの目的を持った団体などへ、入る時の儀式のようなものです。
これをキリスト教に例えると、教徒(信者)になるための儀式と言えます。
洗礼式とは?
洗礼を身内や他の教徒の方などに見てもらい、一緒に洗礼を誓う式をこと指します。
日本で言うところ風習で例えると、赤ちゃんが生まれて、生後1ヶ月が経つ頃、赤ちゃんの両親と父方の祖母と一緒にお宮参りをします。
これが洗礼式(=幼児洗礼式)に意味合いが近いものとなります。
さらにこの洗礼式で、新たなもう一つの洗礼名と呼ばれる名前を授かります。(ミドルネーム)。
洗礼式の呼ばれ方は様々にありますが、現代では「Christening(クリスティニング)」と呼ばれることが多いです。
「Christening(クリスティニング)」は、宗教的な意味合いと言うよりも、一つの行事としての意味合いが強いように思われます。
イギリスの洗礼式の風習とイギリス王室(王子・王女)の洗礼式
洗礼式では、男の子・女の子(王子・王女)に関係なく、白いドレスに似たガウンや「おくるみ」と呼ばれる白銀の真っ白な布を赤ちゃんに着せます。
そして、長い儀式の最後に、聖水(清めた水)を赤ちゃんのおでこに振りかけます。
洗礼式はここまで終わりで、この後、パーティーが催されるのが習わしです。
他に洗礼式に必要なものは、「銀製のスプーン」??
他に洗礼式に必要なものと言うのが、なんと「銀製のスプーン」です。
この銀製のスプーンは、赤ちゃんの親戚や身内がプレゼントするのが習わしです。
では、銀製のスプーンを何に使うのか?
この銀製のスプーンを立食パーティーや自宅でのランチパーティーの際に使用します。
「銀のサジを持って生まれてきた子は幸福になれる」という由来が、古くからイギリスに伝わっています。
これの立食パーティーや自宅でのランチパーティーを親戚や洗礼式に出席したメンバーが主体となって心ゆくまで語い楽しみます。
これらの洗礼式の風習は、おおよそ一般の国民も王室も、さして違いがありません。
イギリス王室の洗礼式に異例が起こった??
イギリス王室の通例では、イギリス王室の第一子の洗礼式は「バッキンガム宮殿」で執り行うのが慣例です。
しかし、故・ダイアナ元皇太子妃の嫡子であるウィリアム王子、そのウィリアム王子の第一子のジョージ王子がお生まれになった2015年度の洗礼式は、ダイアナ元皇太子妃ゆかりの故郷でもあるサンドリンガムの「メアリー・マグダレン教会」で執り行われました。
このサンドリンガムの「メアリー・マグダレン教会」こそ、ダイアナ元皇太子妃が事故により、帰らぬ人となって葬儀の直前までご遺体が安置されたいた場所となるのです。
現在のイギリスでは、故・ダイアナ元皇太子妃とチャールズ皇太子の不倫とコーンウォール公爵夫人(カミラ夫人)の問題がまだ、イギリス国民の間では遺恨と言う形で、根強く残っているようです。
今回の洗礼式に関しての王室の配慮も、イギリス中の国民と心を同じにするような意図や目的があったのかもしれませんね。