現在のイギリスは、いくつもの国が寄り集まって一つの国家を形成しています。
そして、過去には国土を王位を巡っていくつもの争いがありました。
いくつもの争いの後には、争いに勝った勝者がその国を治める君主(=国王)となります。
国王が変わるということは、政治が変わり、文化も変わります。
これは国王やその国王を補佐する者の考え方や、その国王が生活した国土の風土にもよって政治や文化は異なってきます。
そして、これら代々の国王の考え方や思想を元とした政治や文化を「~朝」と後世では、呼称することとなるのです。
では、「朝」とは?「朝」の定義はどこから生まれたのか?
「朝」と言う言葉は、よく歴史に出てきますが、基本的には「朝日=日の出」を根本として、新たに朝日が昇る=新しい夜明けの意味合いで「朝」と言います。
過去の世界では、朝日は拝む神聖なものとして崇められてきました。
これにあやかり、「君主=朝日の如く拝める存在」ということで、「~朝」と呼称するとも言います。
イギリス(英国)の現在の王朝の名前とは?何王朝なのか??
過去のイギリスの文化を見ていくと、いくつのも民族が入れ替わり支配しています。
もともと現在のイギリスはブリタニア王国という王国が存在していました。
この王国を運営していたのが、「ケルト人」と言う部族です。
しかし、6世紀の後期に、ゲルマン人の大移動の影響でゲルマン人の中の種族であるアングロサクソン人がブリタニアに侵攻し、ケルト人からイギリスの国土支配の実権を奪い取ります。
しかし、この時、ケルト人が完全に追い払われた訳ではなく、一部のケルト人は大陸に残り、その後、アングロサクソン人と共存し、その中で交配を重ね、やがてその血流はアングロサクソンとケルトの混血の民族が新たな民族として成立して行きます。
しかし、その後、現在のフランスを支配していたノルマン民族がアングロサクソンの支配するイギリス(当時のイングランド王国)に侵攻してきます。(ノルマン・コンクエスト)
その結果、アングロサクソンが支配していたイングランド王国は倒され、今度はノルマン人が支配するノルマン王国が誕生することとなります。(=ノルマン朝)
この後、現在に至るまでイギリスは、血縁が変わるほどの大きい戦いという戦いが歴史上ありません。
それにノルマン王家の血流は現在のエリザベス女王やイギリス王室(王族)に受け継がれています。
以上のことから、これらの話を元とするならば、「ノルマン朝」が現在のイギリスを支配している「朝」ということになります。
イギリス朝(英国)の歴代王朝
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- ノルマン朝(1066~1135)・国王:ウィリアム1世
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- プランタジネット朝(1154~1399)国王:リチャード1世
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- ランカスター朝(1399~1461)国王:ヘンリ4世
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- ヨーク朝(1461~1485)国王:エドワード4世
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- テューダー朝(1485~1603)国王:ヘンリ7世
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- ステュアート朝(1603~1714)国王:ジェームズ1世
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- ハノーヴァー朝(1714~1917)国王:ジョージ1世
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- ウィンザー朝(1917~現在)国王:エリザベス2世
しかし、現在のイギリス王室が1066年のノルマンコンクエストによる勝者・フランス人(=ノルマン人)の「ノルマンディー公・ギヨーム(ウィリアム1世)だと伝わります。
だとすれば、ノルマン王朝こそが正しい現在のイギリス王朝ではないのか?
・・などと思うのは、はたして??